鍵屋の扉

鍵屋にいらっしゃいませ

鍵屋とコンサート

私が初めて鍵屋を申し込んだのは20歳の頃でした。
その頃はやっと希望していた憧れの会社に入れて、始めは夢や希望を持っていたのですが、月日がたって行くうちに、だんだんと、会社での仕事の事、人間関係、特に上司との上下関係での悩みがつきなくなりました。
とても気難しい上司がいて毎日仕事へ行くのが嫌になって行きました。
自分が会社に必要とされるような人材になりたいと思ってはいましたが、現実は自分の未熟さを思い知らされました。
そんな時、同僚に誘われたある歌手のコンサート。
別にそれほどその歌手の事は好きとか思った事はありませんでしたが、安くチケットをその同僚が売ってくれたので、気晴らしに休みの予定もなかったので、アパートからそれほど遠くはないその、コンサート会場に行ってみる事にしました。
ちなみにその歌手のアルバムの曲は聴いた事もありませんでした。
コンサートには小さい頃1、2度 親につれて行ってもらったくらいで実際、社会人になって行くのは初めてでした。
コンサート会場のあの熱気にそしてとてもポジティブというかそのアーティストの曲、力強い歌声。
日々の会社での嫌な事をこのコンサートは忘れさせてくれました。
ストレス解消といって毎晩、飲みに行くより私にはよっぽどこちらのがあっていました。
そして事件がたぶんここでおこったのです。
ポケットに入っていた部屋の鍵。
たぶん盛り上がりジャンプのしすぎで落としたのか。
興奮様態がさめないまま会場を出て誘ってくれた同僚に次も是非に誘ってと言い会場前で別れました。
電車にのりアパートへ着くまでの私は放心状態。
自分の中でもうちょっと会社でがんばれるかな、なんていつものネガティブからポジティブに少し変わっている自分に単純だな。
なんて少し笑えました。
そして、ポケットの中を探ると鍵がない。
私は仕方なく合い鍵を持っている彼氏もいなかったので、鍵屋を呼ぶ事にしました。
すぐ来てくれてしかも簡単に開けてくれました。
お金はかかりましたが、そんな事言っていられません。
その日は良い日だったのか悪い日だったのか。